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モンゴル 8 日間 ~ ウランバートル

9月18日AM12:00、台風 13 号の影響で昨夜からぱらついていた雨も上がり、ついにモンゴルへ出立する時刻となった。今回は初の一人企画海外渡航である (といってもツアーだが)。一応の目的は写真を撮りに行く事と考えてはいるが、特にこれを絶対条件とも考えていない。夕日と朝日と地平線、砂漠、それに列車でも撮れば良いだろう。

幡ヶ谷 POEMPM5:00 成田発の MIAT モンゴル航空 OM502 便である。集合時間まで相当あるので、とりあえず幡ヶ谷駅近くの喫茶店 POEM でマンデリンを飲みながら荷物の最終確認。カメラの調子も上々。パスポートとクレジットカード、US ドルがあれば後は何とかなるだろう。

出かけに三脚が見つからなかったので途中のヨドバシカメラで購入する。朝夕に撮影する気なのでやはり三脚がないと辛い。

JR 山手線日暮里駅で京成電鉄に乗り換えて成田空港に到着。旅行会社のカウンターに行ってみるともう皆さん集まっているようだが、えぇと、なんかやたら若い女性が多いんですけど… 知らない人ばかりだし… (当たり前だが)。男 4 人、女 4 人、添乗員さん (女性) のモンゴル・ゴビ草原 8 日間の旅が始まる。

オレサマライブ 9月18日版


風の旅行社の添乗員、稲元さんからチケットを受け取り、ちょっと軽食店でおにぎりを食べて一休みする。集合時間になったので出国口に向かうが、あれ、誰も居ない? これはもしやと急いで中に入る。出国手続きの行列に並んでいる時に添乗員さんから電話があり、やはり搭乗口に集合だったようだ。緊張してて聞き間違えた orz ウィングの端っこにある搭乗口までがやたらと遠いのだが、何とか間に合って飛行機に乗り込んだ。

PM5:00、飛行機が出発。ウランバートル到着予定は PM10:00 なので、本日は宿泊先のホテルへ向かうだけである。台風はまだ日本海沖に居座っているようだが、ソウル-北京-ウランバートルという L 字型の航路だったので飛行には全く支障が無かった。

搭乗ロビー
まだぎくしゃく気味のツアーメンバー一同。
MONGOLIAN AIRLINES
Mongolian Airlines。日本便は 2 機しかないらしい。
航路
北朝鮮領空に侵入を試みる思いきや、やはり迂回なのか。
うまエキス
荷物受取所でさっそく見つけた変な看板、うまエキス。空港で現地国鉄の添乗員、ナランさんと合流。
ラブワゴン号
ラブワゴン号。なぜ狙ったようにピンクのワゴンが手配されているのかと。
CHINGGIS KHAAN INTERNATIONAL AIRPORT
チンギスハン国際空港。元は別の名前だったが最近この名前に変わったらしい。

チンギスハン空港からワゴンに乗って真っ暗なデコボコ道 (一応舗装はされている) を突き進み、ウランバートル市内の Flower Hotel へ到着。ここは日本人向けのホテルのようだ。稲元さんから外へ出ないように厳重注意が言い渡される。殴打強盗や首絞め強盗などが流行っていると日本で見てきたのだが、やはり夜の治安は相当悪いか。

部屋の鍵として IC チップのようなものが付いたカードキーを手渡される。日本のビジネスホテルでもよく見かける奴なのだが、差し込んでも扉が開かない。たまたま近くに居たルームメイカーの人に聞いてみたら、単に裏表を逆に挿していただけだった orz

部屋はツインの一人利用である。部屋の造りや照明の感じ、ドリンクの入った冷蔵庫やポットにコーヒーなどが置いてあるところなどは、まるで日本の一般的なホテルだ。稲元さんから 「部屋は大丈夫ですか?」 と電話が来たので慌てて湯が出るか確認してみる。特に不具合も無くちゃんと出ているようだ。

壁のコンセントも日本用の二つ穴と中国?の三つ穴とが使えるように、合計 5 つの穴が開いている (ポットは日本製だった)。テレビは NHK の他に韓国、中国、ロシア、あとどこの国か分からないがたくさんの局が入るようになっている。あと壁に LAN の差込口のようなものがあったのだが、インターネットに繋がるかは不明。

夕食は機内で済ませていたので後は風呂に入って寝るだけだ。大浴場があるとの事なので早速行ってみる。挙動不審に男湯を覗いていたらその先のカウンターから呼び止められた。ああ、ここで部屋番号確認してタオルとシャンプーもらうわけね。根元から湯が噴出すカランとか、傾いだサウナの扉とか、コバルトブルーのシャンプーとか、異国情緒溢れるアトラクションが満載でなかなか楽しかった。

そして就寝。と、行きたいところだが当然ながら興奮して眠つけない。またベッドが柔らかすぎて背中が痛い。湯を沸かし十六茶と梅干でちょっと落ち着いて、床に敷いた毛布に包まって何とか就寝。 


ウランバートルの景色9月19日、ウランバートルの夜が明ける。

窓から外を眺めてみる。上海でも中心をちょっと離れたホテルの裏はこんな風景だった。 本日はウランバートルを観光して午後から寝台列車に乗り込む。自然史博物館がお休みらしいので、後半に予定していたボグドハーン宮殿、ザイサンの丘を先に見るとの事である。

ホテルで朝飯を済ませてラブワゴン号に乗り込み、ガンダン・テグチンレン寺院Gandantegchenling Monasteryに向かう。道路には自動車と横断者が入り乱れており、排ガス臭もかなりきつい。あちこち穴ぼこだらけの道路を人と荷物でぎゅうぎゅう詰めになったワゴンやトロリーバスなどが普通に走っている。街中は大陸の雰囲気でいっぱいである。慣れない右側走行がやたらとおっかなく感じる。

「Д」 が口にしか見えないのは何かの病気。
マニ車
ウランバートル内は英語の看板も目にする。
モンゴルは車優先社会。横断歩道もあまり無い。

ヒュンダイ (韓国) やロシア、中国っぽいの車が多い中で、ランドクルーザーやマーク II などの日本車もよく走っている。さすがにスポーツカーは見ないが丸目のセリカだけは何台か走っていた。さらによく見ると「○○商店」と入ったままのトラックや、クロネコヤマトの宅配ワゴンがそのままの姿で走っていてなかなか楽しめる。

AM10:20、ガンダン寺に到着。車を降りて早々、絵売り人や両替人が寄って来るが軽く無視。モンゴルは仏教だが、チベット仏教なので日本のそれとはかなり違っている。しかし何処をどう間違えれば片やマニ車、片や木魚となるのであろうか。たくさんのラマ僧と見習いちびっこがお経を上げている中を容赦なく見学し、マニ車を回してお参りする。2ドルほど払えば中の撮影もできたのだが、今後の撮影枚数が気になったし、観光写真はいいかと思ってパスしたのが少々悔やまれる。

ラマ僧が経を上げている中 (半分観光サービスだろう) を廻って参拝できる。
マニ車
みんなしてマニ車を回す。チベット仏教は何に付けても右回り (上から見て時計回り) らしい。参拝も右回り。
ご本尊(?)の真裏。頭をつけてお参りしたり、バターなどの乳製品を付けたりするらしい。

広場のようなところに出て巨大な観音菩薩のようなものが立っている建物に入る。日本で言えば大仏殿かな。中は薄暗く少々混雑しているので警戒モードに入る。

稲元さんの話し振りからするとスリなどがかなり深刻なようだ。ううむ、このようないかにもインチキカメラマン風の出で立ちではマズかったかな。まぁ身体とパスポートとカメラが無事ならスリくらいは話のネタとして全然 OK なのだが。やはりこういうところでカメラなどに集中している時などが狙われやすいらしい。

大仏殿の右側に建っていた黄色の建物はかのダライ・ラマが来るときに入る所とのこと。モンゴルのようにネットや本での日本語情報が少ない場所では添乗員さんの小ネタ知識が大変ありがたい。吾輩の貧弱な記憶力が心もとないが。

旧正月にはラマ僧による占いをやっているという。

穴に指を五本入れると願いがかなうというふしぎな柱。
佐藤さんが五体投地に挑戦。チベット仏教は全身を地に投げ出しておまいりする。
修行中のちびっこ達。ここは学校も兼ねている。

再びラブワゴン号に乗り込んでガンダン寺を後にする。この寺の周囲にはたくさんのゲルが存在しており、さながらダウンタウンといった感じがする。

AM11:10、ボグドハーン宮殿博物館Bogdohaan Palace Musesumに到着。ここもお金を払えば撮影は可能であったが、やはり写真は撮らなかった。今では後悔している。

夏の間、冬の間と分かれており、夏の間はちょっと廃墟っぽい哀愁が漂ってる。真新しく緑色に塗られた屋根がやたらと目に残るが、あれも時がたてば他の屋根のように落ち着くのだろうか。宮殿とはいえ本来は寺なので、宗教美術らしい絵画や彫刻などが飾られている。16 才の少女の骨を使った笛などもあったが、こういうのはナランさんの説明が無ければ何だか分からなかったろう。

一方の冬の間はシャンデリアのようなものもぶら下がっており、洋館を思わせる内装だった。ロシアから寄贈されたベッドや着物、帽子、装飾品などが飾ってある。また、モンゴルでは動物園がない代わりに世界中から集めた動物の剥製を飾っている。

AM12:30、ウランバートル市内を一望できるザイサン・トルゴイZaisan Tolgoi (ザイサンの丘) に到着。昼食まで時間がないので頂上には登らなかったが、うーん、ウランバートルのランドマークを把握していないのでよく分からない。国立サーカスやスフバートル広場など幾つか覚えた後半に来る方が確かに正解かもしれない。

見渡せば、ウランバートルは山に囲まれた盆地である。手元の GPS では標高 1,200m くらい。左手にやたらと煙を吹いているのは火力発電所だろうか。麓に戦車の張りぼてみたいなものがあり、ロシアの何とかと聞いたが忘れてしまった。目の前を流れるトーラ川はロシアのバイカル湖まで続いているらしい。何気に壮大だなー。

AM12:50、昼食のレストランに到着。前菜、メインとコースで出てくるのは共産主義時代にロシアから来た文化らしい。そういえばモンゴルは冷戦時代にソ連と中国が仲が良かった頃の中継地であるな。

味噌漬け肉を焼いたような料理を食べる。皆さん普通にビールとか飲んでいるようだが、吾輩はアルコールが入ると一日終わってしまうので遠慮して、Khalk Tea という干肉とミルク入りの茶を頼んだ。薄めた豆乳に塩を入れたような味の飲み物である。てか、あれ? ひょっとして女性陣は酒豪ぞろいですか?

戦車とウランバートルの風景。街中は普通の建物だが少し郊外に出るとゲルが建っている。
資生堂の看板。今、中国で重金属騒ぎの SK-II である。知化しょう品とは?
街の人々。中国と全然変わらない。デールを着ている人もよく見かける。
 
子供を学校に送るお父さん。車がバカスカ飛ばしていて通学は危険そう。
 
これが有名な 「ぽっかり空いたマンホール」 かな?
 
昼間からビール集団。

PM2:50、予定していたメルクーリ・ザハが改装工事中であったため、予定を変更して国立サーカス横の食料品店に到着する。入ってみると生鮮食品や調味料などが売っており、一見 A コープのような感じ。日本と違って肉が巨大。その代わり野菜と果物は小さめ。

特に買うものもないのだが、とりあえず夜間早朝の空腹に備えて見慣れない梨2つと林檎1つ (500TG≒50円) を購入。しかし皆さん普通にアルヒ (ウォッカ) とか買っているようですが、それはお土産ですか?

PM3:30、一行を乗せたラブワゴン号はウランバートル駅に到着。MONGOLIAN RAILWAY。大陸鉄道らしい、ひたすらに長い寝台列車に乗り込む。おお、テレビが付いているではないか。意外に近代的。チャンネル変わらないけど。そして PM4:00、発車ベルもなく列車がウランバートル駅を出発する。

程なく客室乗務員の人がお盆にマグカップを乗せてコーヒー・紅茶を配りに来た。トイレも綺麗でちゃんと男女別れているし、思ったより全然快適ではないか。

ウランバートルの駅舎。プラットフォームは地面と同じ高さなので、はしごで乗車する。
モスクワ-ウランバートル-北京を繋ぐ国際鉄道。シベリア鉄道に繋がっている。
先頭と末尾が見えない。そもそも一車両がやたらと長い。
 
4人のコンパートメントを2人で利用。TRAVEL TV という謎番組が流れている。
 
ウランバートルを出発。山肌にはチンギスハンの謎絵が描かれている。
 
ウランバートルを離れるとすぐにゲルが立ち並んだ風景が見られる。

ウランバートルから郊外へ出るにつれゲルが立ち並ぶ風景に変わり、しばらく経つと全くの草原となった。ふと、牛の群れが現れ、建物が見え始めると小さな駅に到着し、そしてまた草原へ変わってゆく。

列車を見つめる少年。どこかの停車駅で。
時折、街などが見える。
ゆるいカーブになっているところでしか末尾は見えない。
先頭の 2 機の機関車が引っ張っている。
世界の車窓から。今日はモンゴルを縦断する国際鉄道でお送りします、みたいな。
(MPEG4 動画, 1.9MB)

PM7:50、モンゴルの草原に夕日が沈んでゆく。

    

意外と綺麗なトイレ。客室乗務員さんがこまめに掃除している。
給湯器。自分で持ってゆけばお茶やコーヒーが飲める。
中国製らしき消火器。
トイレに行く。備え付けの紙などもちろんないのでトイレットペーパー持参である。足元には換気用にピンポン球くらいの穴が開いており、そこから枕木の走り流れる様がよく見える。って、ひょっとしてこの真下は何もないのかいっ! おもむろにペダルを踏むと、底板がペコンと開いて、走行中の線路の上に全てが消えていった。さようなら…

部屋に戻って弁当を食べる。昨夜泊まった Flower Hotel で作ったメンチカツのようなものなのだが、持ち込まれたときから凶悪なニンニク臭を振りまいていたので袋の口を縛っておいた弁当だ (ニンニクなのか肉そのものの臭いなのか定かではないが)。しかしなぜか食べてみるとあまり臭いはあまり気にならなかった。

給湯器から湯を汲んできて、弁当と一緒にもらったインスタント味噌汁をいれる。流れる景色を見ながら異国で飲む味噌汁は何でこんなに美味いのだろうか。さらに十六茶を入れ、梅干を食う。

同じコンパートメントの人は金田さんという方であった。忘れないようにメモする。やっと一人、同行人の名前を覚えた。何と医者である。内視鏡をやる人である。隣のコンパートメントの男性二人、横舘さんと森さん。これも忘れないようにメモる。人の名前を覚えるのが苦手なのだ。本当のところは苦手と言うか、うろ覚えの状態で使って間違えるのが怖いのだ。1 度でも使えば後は大丈夫なのだが。


PM9:10、チョイル駅に到着。30分停車なので部屋に鍵をかけて皆で駅舎を見に行ってみる。真っ暗なプラットフォームにジュースやスナックを乗せて売っている。活気があり人も多い。そしてあの独特な危険な匂いもする。

異国情緒満点の風景。
駅舎。しかし微妙に危険な空気も。
もうすぐ出発らしい。走る走る。

戻るときは時間がなくてちょっと走る。しかし列車の入り口で一人足りないことが判明する (ここで渡辺さんという名前を覚える)。とりあえず我々は乗り込んで、稲元さんが血相変えて探しに行く。5分ほどして息を切らして戻ってきた。見つかったようだ。

再び列車が走り出す。外は真っ暗。空も曇っていて星はほとんど見えない。金田さんはすぐ寝てしまった。吾輩も読みかけの本を読んでいるうちに、いつの間にか眠りに入っていた。

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