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モンゴル 8 日間 〜 ツァガンハドキャンプ
2006-09-23 Sat 01:58

9月23日 AM6:30、本来の機能を生かせなくなった携帯電話で今日も目を覚ます。さっそうとカメラを抱えてゲルのドアを開けると、女性陣のゲルの横に座っていた大きなゐぬと目が合った。と、同時にそいつが小走りでこっちに向かってくるではないか。急いでドアを閉める。

稲元 「ここにはゐぬは居ないですから…」(昨日)

うそばっかり…

とりあえずマグカップに汲んだ一杯の水で顔を洗う。もう大丈夫だろうかとそっとドアを開けてみると、まさにドアのまん前、というか開けた隙間のすぐ横に居るではないか。びっくりしてすぐ閉める。ううむ、これは一体どうしたものか。

金田さんが起き出してトイレに行こうとするので 「扉の前にデカイゐぬが居ますよ」 と忠言。「えぇ〜ホント… うおっ!!」 ふいとドアを開けてそのあまりの距離の近さに一驚を喫する。

ゐぬはなかなかどいてくれない。どういう性格なのか分からないが、とりあえず敵意丸出しではないようなので出てみることにしよう。

意を決して扉を開ける。ゐぬが駆け寄ってきて体当たりを食らわせる。じゃれてるつもりかよく分からないが、ナリが大きいのでこっちはヨロけるしかない。しかし吼えたり噛んだりはしないようだ。

AM7:10、日の出を求めて裏の砂山に登るが、本日は全面的に曇り空である。そして凄い風が吹いている。座って写真を撮ろうとするとカメラが砂まみれになってしまう。こんなところでレンズ交換なんかしたら本体内に砂が入ってしまいそうだったので、取り付けていた広角レンズのみで撮影。

丘の天頂には石が積んである。
朝の列車がツァガンハドの駅に到着する。
遠くを見つめる人。
風になびく人。
砂に座る人。低く構えると顔に砂粒が当たる。
ウン(略

AM9:15、朝食。肉の入ったお粥のようなものを食べる。粥といっても米ではなく、うどんのような練り小麦粉系のものを原型がなくなるまで煮込んだような感じ。そして今日も頭の中に 「お母さんの歌」 が鳴りっぱなしである。

AM10:00、目の前に広がる平地の案内をしてくれるということでみんなで出かける。カメラの電池がなくなりかけていたが、残りの本数も少なかったし、見た感じ半草原半砂漠が広がっているだけで特に何もなかったので、電池の換えは持たずに出発した。ついでに言うと重い広角レンズも置いてきた。だんだん手を抜くようになってきた。

例によって地面から突き出た潅木と枯れ木の根っこが足にまとわり付いて歩きにくい。草食動物の骨が散らばっている。野生のガゼルとのことだが、ガゼルというとスレンダーな鹿が草原を飛び跳ねてるイメージなのだが、アレはモンゴルにも居るものなのか。オオカミなどもいるらしい。

キリギリスが太ったような変な虫を発見する。羽はなくモソモソ歩いている。茶色はよくいるが縁は珍しいらしい。この長い尻尾を取り払い、丸々とした腹をチュルッと吸うとアレルギーに効くらしいが、しかしそれって腸に入ったサナダムシが抗アレルギー物質を…、という原理なんじゃなかろうか。何にせよチュルッとするのは御免蒙る。そのほかにもいつものトカゲやバッタなどをたくさん見かけた。

出発から 30 分ほど歩き、キャンプから平地をはさんで反対側に見えていた丘に到着。老体に鞭打って丘を登りきってみると…


うおっスゲー!! なんじゃこりゃー!!

開けた視界に思いもよらぬ光景。前方には巨大な川の流れた跡が広がっているではないか。こんな光景があるなら換えの電池と広角レンズを持って来れば良かったと大いに後悔しながら、強風に吹かれて写真を撮る。

帰ろうとすると横舘さん渡辺さんの二人が川の跡まで降りていった。川底でちょっと話をした後、まるで申し合わせたようにそれぞれ反対の方向に歩き始めた。これをまた遠くから眺めてると面白い。丘を下ると稲元さんが戻ってきて 「二人は?」 「川へ下って行きましたよ」。やはりという感じで丘を登って行く。

ゲルに戻ってモンゴルの旅行ガイドを見る。日本にいるときは通貨も言葉もコンセントの穴の数もふーんという感じで頭を通過していったのだが、現地に来て見てようやく実感が湧いてくる。吾輩の旅はいつもこんな調子である。

PM1:10、昼食。今日も背後で巨大な岩がぶら下がっている。サラダにミネストローネのようなスープ、ご飯に玉子焼きに出るわ出るわ。そこら辺にいっぱい生えているちっこい野生のニラの塩漬けがご飯に合う。

PM2:30、昨日のホームステイ先から 6km の道のりを歩いてラクダが到着。予定ではこのラクダに乗って恐竜の化石が発掘された跡に行くことになっていたが、いつの間にやら行く先が閉鎖されていたとの事である。その代わりに、裏の丘のもうちょっと先にある砂丘へ登るということである。じゃんけんして後発部隊となる。

ナランさんがさっそくラクダにツバを掛けられる。足にレガースのようなものを取り付けてヘルメットをかぶり、いざラクダにまたがる。ラクダは後ろ足から立ち上がるので激しく前につんのめる。しっかりこぶにつかまっていないと危ない。

ラクダに揺られてしばらく歩く。ナランさんはこの仕事を始めるまでラクダに乗ったことがなかったらしいが、すでに手馴れたもので 「チョッ! チョッ!」 とか言いながら鞭で尻を叩いている。

しばらく歩いて砂丘到着。キャンプ裏の丘から繋がっているところだが、こっちの方が風が強くて砂がサラサラしている。しかしこれまたすごい坂である。角度とか 45°くらいありやがる。

先発部隊が出発。
凄い坂。先発部隊が降りてきてすれ違う。
「アッラーフ・アクバル!」
ではない。
この並びはきっと体力年齢順。撮影する振りをして足を休める。
転げ落ちるテリーさん。
政治的理由で国を追われた小数部族の王女が、戻れぬ故郷を想いそっと涙する図。

もうポケットから髪の毛から耳の穴から鼻の穴から全身砂まみれである。やはりサングラスはゴーグル型のものを探せばよかった。喋ると口の中に砂が入ってくる。たまらず口にバンダナを巻く。もうヒップバッグの中まで砂まみれ。こんなところでカメラのレンズ交換なんて出来るわけがない。

渡辺さんと横舘さんはさっそうと彼方に消え、なぜだか吾輩は榎さん相手に延々とマルバツをしていた。

キャンプに戻るとお父さんのゲルにあるテレビで相撲をやっていると言うことで見に行ってみる。ちょうどモンゴル出身の朝青龍が優勝するかどうかの取り組みだったが、千代大海に引き落とされて負けてしまった。千代大海がマゲを掴んだのではと物言いが付く。一緒に見ていた人達のモンゴル語に 「チョンマゲ」「チョンマゲ」 と混じっていたのが可笑しかった。結局この日に安馬が負けて朝青龍の優勝が決まった。

暇なのでうろうろする。男性陣のゲルの裏あたりに不自然な石の並びがあるなと思ってよく見ると、大きすぎて気付かなかったが日本語で 2m くらいの人の名前が書いてあった。そういえばここは夏休みの時期には日本人で溢れかえっていたとの話である。なんかギャルみたいなのも居たそうである。ヤマンバが砂丘登ってる姿とか見てみたいような気もするが、まぁ今回は日本人少なくてよかった。ウランバートルからザミーンウーデのキャンプまで風の別ツアーのカップルが居たのと、ここのキャンプでカメラマンが居たことくらいか。女性陣のゲルの前に靴が干してある。誰のだろうか。

そろそろこのキャンプともお別れである。ラクダを連れてきた昨夜お世話になったゲルのカッコイイお兄さんに里見さんがお守りを渡すと、お礼に鞭をもらった。記念撮影をして荷物を車に積み込み、すぐそこに見えるツァガンハド駅に向かう。そして車の中でも当然のように歌う。

PM7:05、駅に到着。なぜか今朝の犬がうろついている。昨日横舘さんが言っていた犬とはこいつの事だったか。線路内で構図を考えながら低いポジションで写真を撮っていたら、ふと列車内でのトイレ事情を思い出してそそくさとその場を離れた。

ツァガンハドは駅といっても街があるわけではなく、この鉄道の線路が砂に埋まらないよう作業する整備員達が住むためにあるらしい。確かにこのような環境では一週間もほったらかしていたらどこかしらが完全に埋まってしまうだろう。日本では考えられないような砂漠+大陸鉄道ならではの事情である。小学校の国語の教科書に載っていた砂漠の真ん中の 3 人の駅員の話を思い出した。

列車はプラットホームよりはるかに長いらしく、でかい荷物をかかえて数百メートルほど北京に向かって歩いたところで待機する。改札がない代わりに入り口のところで客室乗務員が検札をするという仕組みなので (昔の日本の特別急行のよう)、ピンポイントで乗らなければならないらしいが、本当のところは旅行者がでかい荷物持って一般車両を歩き回るのを避けたいのかもしれない。とにかく 2 分停車なので速やかに乗らなければいけない。

PM7:25、列車が到着。しかしここで我々が乗る車両はさらに後ろらしいという事が判明。荷物を担いでひたすら走る。先生なんか巨大なスーツケースで来てたから大変である。2車両くらい後ろから何とか列車に乗り込むとすぐに列車は出発。バタバタして見送りの人達にお礼もいえないままであった。列車内を移動中に 「Where are you from?」 と聞かれたが、もはやモンゴル語しか頭になくてすぐには英語と気付かなかった orz

コンパートメントに入って一息つくと早速添乗員さんが熱湯の入ったマグカップと粉末コーヒーを配りに来た。文明社会に戻ってきた気がする。そしてこの旅が終わってしまった寂しさを感じる。

今度の列車ではトイレは男女共同であったが、客室乗務員さんが常に掃除してくれているので普通に綺麗であった。別段座っても平気そうではあったが、「現地の人達も使ってるので便器の上にしゃがんでコトを済ましてください」 とか言われていたので、せっかくなので生まれて初めて便座を上げて洋式トイレの上でしゃがんで爆撃を行った。なんだかアジアに キタ━(゚∀゚)━ッ!! という感じである。しかしこのように上でしゃがむことも想定済みなのか、ステンレス製のフチはちょうど靴の幅くらいに広く平らになっていて意外と安全に事が済んだ。

砂丘から帰ってから撮影した写真に小さなモヤのようなものが写っていたのでカメラの掃除を開始する。今のところ駆動部分に問題はないが、よく見ると細かいところに砂がいっぱい入っている。なるほど、これでは入りどころが悪ければすぐ壊れるな。運が良かった。掃除用のブラシとブロアで細かいところの砂を取り除く。しかし本体中をブロアで噴いていたら先っちょが CCD に接触してしまい、左上部分に巨大なモヤが写るようになってしまった orz まだ全身砂まみれでもあるので、これはもうホテルへ戻ってから腰をすえてやった方が良いだろうと諦めてヒップバッグに仕舞い込んだ。傷でないことを祈りながら… 大いにテンションが下がる。

本来なら列車内は飲酒は禁止なのであるが、稲元さんがどこからともなく CASS ビールを入手してきてくれた。一応扉は閉めて隠して飲んでくださいとの事ではあるが、ほぼ公然の建前っぽい。晩御飯は先ほどのツァガンハドの駅で積み込んでもらった弁当の具の入った薄い揚げパンを食べる。巨大な揚げ餃子と言っても良いかもしれない。ガイドブックに名前が載ってたと思うが、わざわざ調べるのもなんだか無粋な気がして、ここは具の入った巨大揚げ餃子という事にしておく。

サインシャンド駅に到着。素晴らしいオアシスという意味らしい。なかなか良い名前だ。カメラは封印中だし、往路のチョイルで雰囲気がつかめたので、今度はジャンバーのポケットに小銭程度で下車する。チョイルと同じく簡易売店や簡易食堂が出来ていて賑わっているようだが、危険な空気も相変わらず漂っている。稲元さんがみんなをトイレに連れて行っている間、待合室で榎さん、渡辺さんの三人で待機するが、「ぜっっっったいにここを離れないで下さい!」 と釘を刺されたのでさすがにおとなしく座っている。渡辺さんがドアの外を眺めているのだがそのまま出て行ってしまうのではないかとちょっと心配する。

列車に戻る。飲みかけの CASS ビールを持って隣のコンパートメントの 「スナックさとみ」 へ行きみんなで飲む。

明日、目が覚めたらもうウランバートルである。もうこの列車に乗った時点で後は消化試合みたいなものだ。砂まみれの体を毛布に包んで今日も就寝。

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コメント
すごい!ちゃんと書いてる!
しかしよく覚えてるねー。思い出しながら読みました。
次作を待つ!がんばってください。みんなのためにも。
2006-11-29 21:58 | URL | サイハナ #- 内容変更 top↑
私も読んでいるよ。
自分は写真しかないけど、こういったものを読んでいると、まるで
昨日のことのように思い出される。
本当懐かしいよ。
2007-02-04 19:53 | URL | ドルジ #- 内容変更 top↑
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