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2006-09-22 Fri 23:22
9月22日 AM6:30、前夜仕掛けておいた携帯のアラームで目が覚める。まだ薄暗い中をとりあえずライトを持って用を足しに。見上げるとあいにくの薄曇り気味。日の出はちょっと無理なようだ。
戻ると女性陣のゲルから榎さんが出てきた。この人の朝は容赦なく早い。「もう起きられてるんですか?」 「む、ちょ、ちょっとそこらを廻ってみてたところ」 とうそをついておく。 日の出の AM7:25 が近づくにつれて周りが明るくなってきた。残念ながら地平線付近はちょっと曇り気味である。ちなみに日の出日の入りは毎日 GPS でチェックしている。アウトドアな旅は日の出日の入りの時刻が重要なのだ。
既に地平線のかなたに点となって見えているのは横舘さんなのか渡辺さんなのか。吾輩も北に向かって遠出してみるとしよう。昨日の教訓からヒップバッグに水と GPS とタバコを詰め込む。 モンゴルに来たら何も無いところで何もしないつもりであったのに、ゲルが小さくなるにつれ吾輩の肝っ玉もどんどん小さくなって行ったことを白状しておこう。地平線に霞んで見えるか見えないかのぎりぎりを歩くスリルはまさに一人チキンレースである。GPS も持ってるし太陽と線路の位置で大まかな方向つかめるから 5km くらい離れても帰ってこれるんだろうけどさ、心細いとはそういうことではないらしい。 「もし、世界に自分一人しか居なくなったら…」 という妄想は誰しも大人になる前に考えたことと思われる。360 度の視界に自分以外に何もないという状況はまさにこの世界。SF漫画 「ドラえもん」 において地平線しかない世界へ行って帰ってこれなくなってしまう 「地平線テープ」 という話があるのだが、幼少の頃に読んだアレと同じ妙な圧迫感というか緊張感が喉の奥から湧き上がってくる。
そんなわけでゲルが見えるぎりぎりのところで寝転んだり写真撮ったりしてぶらぶらと帰ってくると、ナランさんたちが朝ごはんを作っていた。やることは無さそうなので邪魔をしないように子供の相手をする。
里見さんにモンゴル語でのプロポーズの練習台にされる。とりあえず「ザーザーザー」と答えておいたが次からは金取ろうか。ここの家族の独身の兄さんに使うとな。 AM9:00、キュウリ、トマトとソーセージを炒めたものと揚げパンのような朝食を食べる。
壁になるジャバラ状の木組みが日本で言う 「たたみ○畳」 という感じで広さを表すらしい。最も小さいのは 2 人用で 4 つ。このゲルは 5 つ。
作業も一段落して (と言っても棒を持っていただけだが) まったりとすごしていると、馬に乗せてもらえるというので行ってみる。乗馬練習用とかではない大人しくない馬なので注意してくださいとの事。 順番を待っているとふんころがしを発見! 生きているのか死んでいるのかよくわからなかったが、早速ふんを置いてみると一目散に逃げ出してしまった。
佐藤さんがゐぬと激しく戯れているのだが、見方によっては襲われているようにも見える。これはいったいどうしたものか。とりあえず笑顔が消えたら割って入ろうと傍観する。 PM2:30、シャガイという羊のくるぶしの骨でおはじきと競馬すごろくを行う。何度やっても馬とラクダの区別が付かない。2 馬身リードしてゴール直前まで来たのだが榎さんにあっさり抜かれて 2 着ゴール orz
走り去ろうとする車をゐぬが凄い勢いで追ってくる。佐藤さんを追ってきたのか、それともイヌ科の習性なのかは定かでない。 ホームステイ先から昨日車で通った道を 6km ほど戻り、PM5:00、ツァガンハド駅近くのツーリストキャンプに到着。ここは丘を少々登った所にあり、反対側の平地がずっと見渡せるロケーションになっている。平地をうろついていてもここからならすぐ見つかってしまいそうだ。 風当たりが強く砂粒も飛んで来る。一昨日降った雨ももう効力をなくしているようだ。 しかしゲルの中に入ってみると、屋根の上部が空いているにもかかわらず、砂どころか風すらまったく入ってこない。この形がうまく風を流すようになっているのだろうか。誠にうまく出来ているものだと感服する。
既に別のゲルには日本人の 2 人連れが到着しているようだ。しかもプロカメラマンらしい。やばい、このままでは吾輩のインチキ三昧がばれてしまうではないか。カメラ見られただけで笑われるのではないかという自意識過剰なプレッシャーを勝手に感じて冷汗をかく。 早速横舘さんがツァガンハド駅周辺を探索に行く。駅前だから売店くらいあるのかと思ったら何もないらしい。変な犬が居たから帰ってきたとのこと。 ここのお父さんとはツーリストキャンプを切り盛りしている人なのかな? お父さんのゲルには柱一本一本やタンス、ベッドに細かな彫刻が施されており、今まで見てきたものとはちょっと雰囲気が違っている。稲元さんやや興奮。 そのお父さんのゲルで昨日習った歌を歌うことになるのだが、「お母さんの歌 (母の歌)」 の一番までしか覚えていないと聞いてちょっと表情を曇らせている。本を見ずに完璧に歌えと。なかなか容赦ない。というか、モンゴルのこのクラスの男性はちょっとした殺気のような緊張感を持っている。20年位前にはまだ日本にも現存していたカミナリ爺さんのそれに似ている。最後に見たのは大学時代の空手の監督であった。最近の日本でははとんと見かけない。 風の旅行社の冊子に載っている4番の歌詞が違っていたらしい。 お父さんに全員名前をつけてもらう。吾輩のモンゴル名は 「ヴォルドゥー」、鋼のようなとか曲がらないとかをもっと抽象的にしたような意味らしい。「表から呼ぶので名前を呼ばれたら返事をして出て来い!」 との事であったが、吾輩一人だけ名が呼ばれずゲルに取り残される orz ゲルには洗面台のようなものが付いている。といっても蛇口を捻ると上のタンクに溜まっている水が流れ出し、洗面台下のバケツに流れるだけなのだが。マグカップ一杯分の水を組んで歯を磨いて髭を剃る。がんばれば何とかなるもんだ。 我々のビールを乗せた列車がツァガンハドの駅に到着する。
ビールを飲む。500ml で 2000Tg≒200円くらいの韓国の CASS とかいうビールらしいが、あまり苦くなくバドワイザーかハイネケンみたいなあっさり風味。モンゴルではメジャーなビールらしい。吾輩にも飲みやすい。しかし背後で宙吊りになっている巨大な岩が気になって仕方がない (風で屋根が飛ばされないための重りなのだが)。
夜が更ける。雲なのか砂なのかよく分からないが霞んで星空は見えなかった。ゲルに戻って今日も就寝。 |
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